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家の性能ってどう見る?Ua値・Q値・C値と快適な住まいのバランス

「ARCHINEXT施工事例」

Ua値とは?
Ua値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅の外へどれだけの熱が逃げるかを示す指標です。数値が小さいほど断熱性能が高く、省エネルギーな住宅であることを意味します。国の省エネ基準やZEH、HEAT20などもこのUa値を基準に設定されています。

Ua値の計算方法
Ua値=建物の損失熱量の合計 / 外皮面積

外皮面積とは建物が外気に触れる屋根(天井)、外壁、床(1階)、開口部(玄関ドア、窓、サッシ)、基礎立ち上がりの合計面積をいいます。
この計算式から、以下のことが分かります。

同じ仕様の建物であれば、大きい建物のほうがUa値が小さくなる傾向がある。(外皮面積が大きくなるため)開口部(窓など)の数や大きさを減らすとUa値が下がる。(熱損失が減るため)

しかし、Ua値を下げるために窓を極端に小さくしたり、家を不自然に大きくしたりすると、住み心地が損なわれてしまいます。Ua値だけにとらわれず、総合的な快適性を考えることが大切です。

Q値とは?
Q値(熱損失係数)とは、住宅全体でどれだけの熱が逃げるかを示す指標です。Ua値が外皮面積あたりの熱損失を表すのに対し、Q値は建物の延床面積あたりの熱損失を示します。

Q値の計算方法
Q値 = 建物全体の熱損失量 / 延床面積

Q値が低いほど、住宅全体の断熱性能が高いことを意味します。ただし、Ua値と同様に、建物の大きさや設計によって数値に影響が出るため、バランスの取れた設計が重要になります。

C値とは?
C値(相当隙間面積)とは、住宅の気密性能を示す指標です。数値が小さいほど気密性が高く、冷暖房効率が向上し、省エネ性能が向上します。

C値の計算方法
C値 = 隙間面積の合計 / 延床面積(cm²/m²)

C値が低いほど、住宅の隙間が少なく、外気の影響を受けにくくなります。特に高気密高断熱住宅では、C値を低く抑えることが重要視されています。

気密測定の実施
当社では、施工後に気密測定を実施し、C値の数値を確認しています。気密性能は、設計や施工の精度によって大きく変わるため、実測値をもとに性能を確認し、高品質な住まいづくりを徹底しています。

日射取得・日射遮蔽の重要性

唯一無限かつタダで使えるエネルギーの代表的なものとして「太陽熱」があります。
太陽光発電でエネルギーを作り出し家庭内の消費エネルギーを相殺させZEROエネを実現させる建物がZEHとなりますが、ここでは太陽光発電という機械設備に頼らないもう一つの太陽熱の使い方があり、断熱性能と同じくらい重要なのが、日射取得(冬の太陽熱を活用)と日射遮蔽(夏の日差しを遮る)です。

日射取得
冬は、窓から太陽熱を取り込むことで暖房の負荷を軽減できます。例えば、南向きの掃き出し窓1枚で約600Wの熱エネルギーを得ることができ、電気ストーブの「強」運転と同じくらいの暖房効果があります。

日射遮蔽
夏は、庇(ひさし)やシェードを活用して日射を防ぐことで、室温の上昇を抑え、冷房の負荷を減らすことができます。方角や窓の配置を考慮した設計が重要です。

これらを適切に計画することで、機械設備(エアコンや太陽光発電)に頼りすぎない快適で経済的な住まいを実現できます。

数値に基づく住まいの設計

快適な住まいをつくるためには、シミュレーションソフトを活用して数値で性能を可視化することが重要です。外皮性能、省エネ性能光熱費シミュレーション を計算し、住まいの性能と経済性を見える化しています。クルマの燃費が数値で示されるように、住宅も燃費性能を数値で比較できる時代です。経験や勘に頼るだけでなく、データを活用した家づくりが求められます。

まとめ

Ua値、Q値、C値は住宅の性能を示す重要な指標ですが、それだけで快適な住まいが決まるわけではありません。日射取得・日射遮蔽の工夫も不可欠です。

さらに、間取りや動線、空間の心地よさなども「快適さ」に大きく影響します。すべての要素をバランスよく考えることが、本当に快適で経済的な住まいづくりの鍵となります。

当社では、気密測定を実施し、設計通りの気密性能が確保されているかを確認しています。

家づくりは、特定の性能値にこだわりすぎず、総合的な視点で計画することが大切です。

「ARCHINEXT施工事例」